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宗教的寛容の精神

2017.01.24

インドネシアは国民の90%がイスラム教を信仰し、世界でもっともイスラム教徒の多い国です。イスラム教を名乗る過激派の活動が世界中で問題となっていますが、インドネシアではあまり発生しません。もちろん無縁というわけではありませんが、人々が殺し合うというような状況はにはありません。

まずひとつインドネシアが他とは違うのは、この国はいわゆる「イスラム教国」ではないことです。宗教、文化、民族の多様性を尊重することが建国以来の国の理念となっていて、互いに寛容であることを大切にする文化です。インドネシアの国章は下にあるように「ガルーダ」という伝説の鳥がモチーフになっているのですが、この鳥がつかんでいるバナーには「多様性の中の統一」という国のスローガンが掲げられています。70年も前に作らたものなのです。日本では文化の多様性が政治の重要問題とはいまだに認識されていませんが、インドネシアでは半世紀以上も前からしっかりと国家経営の最重要課題であったのですね。政治意識がたいへん進歩していて、学ぶべきことが多いと感じます。
インドネシアとのビジネスにあたってはイスラム教の理解は必須ですが、上記のような文化のおかげでインドネシアの人たちはたいへん親切かつ客観的にどうしたらよいのかを教えてくれます。なのでなんの心配もいりません。「あなたとビジネスをするにあたって宗教や文化の違いで配慮すべきことがありますか?」という、文化を超えて仕事をするにあたってまず聞くべきあたりまえの質問をすればいいだけですね。
garuda