コラム

外国人労働者の生活支援が、企業の未来を切り開く

2025.07.31

〜外国人材紹介の現場から〜

日本経済に不可欠な存在となった外国人労働者の皆様が、その能力を最大限に発揮できる環境を整備することは、我々斡旋企業の最も重要な責務であると考えます。彼/彼女らは単なる「労働力」ではなく、共に未来を築くパートナーであり、地域社会の新たな担い手です。本稿では、 彼/彼女
らが日本で安心して生活し、活躍し続けるための基盤となる「住居」「生活情報」「相談窓口」の3つの側面から、企業が取り組むべき支援について意見を述べさせていただきます。

 

安定した生活の礎を築く

外国人労働者が日本で最初に直面する大きな壁が住居の確保です。言語の壁、保証人がいないこと、文化的な習慣の違いなどから入居を断られるケースは後を絶ちません。不安定な住環境は、仕事への集中力を削ぎ、早期離職の大きな原因となり得ます。企業はこの問題を自社の課題として捉え、能動的に支援に乗り出すべきです。

一つの方法は、企業が直接住居を提供することです。 これにより、保証人問題や煩雑な契約手続きから彼/彼女らを解放し、来日後すぐに安定した生活をスタートできます。部屋の広さは一人当たり 7.5 ㎡以上を確保する(法務省ガイドライン)など、健康的で文化的な生活を送れるよう配慮が必要です。社宅の提供が難しい場合でも、外国人労働者の受け入れに理解のある不動産会社と提携し、物件探しから契約手続きまでをサポートすることが重要です。多言語対応のスタッフを配置したり、契約内容を丁寧に説明したりすることで、彼/彼女らの不安を解消できます。敷金、礼金、保証料といった初期費用は企業が支援する方法も来日したばありの外国人に安心できる環境を提供できます。これらの配慮は、特定技能外国人に対する支援義務としても定められており、 彼/彼女らの経済的負担を軽減し、日本での生活の第一歩を力強く後押しします。これらの住居支援は、外国人労働者の定着率を高め、企業への帰属意識を育む上で極めて重要です。

 

地域社会への円滑な適応を促す

来日直後の外国人労働者にとって、日本の生活ルールは複雑で戸惑うことばかりです。ゴミの分別方法といった基本的なルールから、住民登録、銀行口座の開設、携帯電話の契約といった活インフラの整備まで、多岐にわたる情報提供が求められます。

出入国在留管理庁が提供する「生活・就労ガイドブック」などを活用し、自社の就労環境に合わせてカスタマイズしたガイドブックを作成・配布します。図やイラストを多用し、視覚的に理解しやすい工夫が効果的です。 さらに専門の担当者を配置することで、日本の法律や社内ルール、地域の慣習、交通機関の利用方法、災害時の避難場所などについて、通訳を交えて丁寧に説明する機会を設けます。 SNS や社内報などを活用し、地域のイベント情報や日本語学習の機会などを継続的に発信します。また、日本人従業員との交流会などを企画することで、相互理解を深め、孤立を防ぎます。こうした細やかな情報提供とコミュニケーションが、 彼/彼女らの文化的背景や宗教的ニーズへの配慮にも繋がり、地域住民との無用なトラブルを防ぎ、円滑な社会生活の実現に繋がります。

 

心に寄り添い、共に問題を解決する

慣れない異国での生活では、仕事の悩みだけでなく、心身の健康や人間関係など、様々な問題に直面します。孤立しがちな彼/彼女らが、いつでも安心して相談できる窓口の存在は、精神的な安定に不可欠です。

母国語で相談できるスタッフを配置するか、外部の通訳サービスと連携し、プライバシーが守られた環境で安心して相談できる体制を整えます。相談内容は、仕事上の問題から個人的な悩みまで幅広く受け付けるべきです。相談を待つだけでなく、企業側から定期的に面談の機会を設け、問題の早期発見と解決に努めることが重要です。メンター制度を導入し、日本人社員が相談役となることも有効な手段です。労働基準監督署、ハローワーク、地方自治体の相談窓口、弁護士会など、内容に応じて適切な専門機関へ繋ぐ役割も担うべきです。厚生労働省が開設している「外国人労働者向け相談ダイヤル」などの公的機関も積極的に活用します。悩みを一人で抱え込ませない体制づくりが、 彼/彼女らのエンゲージメントを高め、生産性の向上にも繋がると確信しています。

 

共生社会の実現が、企業の持続的成長を牽引する

少子高齢化が進む日本において、外国人労働者の受け入れは、もはや選択肢ではなく必然です。彼/彼女らへの手厚い生活支援は、単なる福利厚生や法令遵守にとどまらず、企業の競争力を高めるための重要な経営戦略です。
安定した生活基盤と、安心して働ける環境を提供することではじめて、 彼/彼女らはその能力を存分に発揮し、企業に貢献してくれます。そして、 彼/彼女らが地域社会に溶け込み、生き生きと生活することは、多様性を受け入れる豊かな社会の実現、ひいては日本経済全体の活性化に繋がるのです。

株式会社 CONVI は 24 時間 365 日のサポート体制をとっており、些細なことであっても外国人就労者の困りごとにはただちに相談・対応するようにしています。これからも外国人労働者一人ひとりに寄り添い、 彼/彼女らが日本で夢を実現できるよう、全力でサポートしていく所存です。そして、受け入れ企業様と共に、外国人労働者との共生社会の実現に向け、邁進してまいります。