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日本文明を滅ぼしたくないよね。誇りもあるし。

2022.01.12

¶1 おじさんはうんちくたれる

最近、おじさん化してうんちくがうるさいと娘にも嫁に言われる鍋島です。
よく考えなくても、わたし、若いころからうんちく好きです。
どうやらその遺伝子は息子にもついているようで、なにかにつけてうんちくろうとします(笑)
だから「おじさん」と「うんちく」をくっつけるのは単なる偏見で、これは男性に対する差別ではないかとひそかに感じております(笑)

さてそんなうんちく男子である私は、案の定、歴史好きです。
世界のどこへ行っても、日本のどこを訪れてもその国や地域、町や村、あげくにはそこにいるご家族の歴史まで気になってしまいます。
もはや病気ですね。

¶2 日本の歴史には大切な価値がいっぱいつまっている

日本の歴史、日本人の歴史、日本で生きてきた多くの人たちの歴史の中から、私は大切な価値感をたくさんいただいてきました。
そしてそれらは世界の多くの人たちに知ってほしいし、人類の未来にとって重要な財産だと思っています。

外国の様々な文明と比較してみると、日本人は独特の社会統合のシステムを育んできたと思います。
それはどちらがよいかという問題ではないですが、日本型で社会が運営されていく、そういう地域が地球上にあってもいいのではいかと思うのです。
それはそのような文明でこそ育つすばらしい文化や物を生み出し、世界にすばらしい多様性を提供することができると思います。
むろんそれは人類社会の調和と発展に寄与することが前提なので、日本方式が世界一だからみんなこの方式でやれというような自己中な文明観は持ち合わせていません。
また、日本の文化をただ一つの基準で定義して「日本人ならそれに従え」っていうのも大嫌いです。
人それぞれの考え方は尊重できますが、押し付けは勘弁してほしいというのが、最低限の文化としての存立条件と思います。
そういう意味でみても、日本にはすばらしい文化がたくさんあり、日本人として私はとても誇りに思っています。
日本人が紡いできた価値のささやかな一部を受け継ぎ、未来へと受け渡して貢献できればと思うのが、私の日本人としてのアイデンティティの一つの側面だと思います。

¶3 滅びゆく文明

しかしこれを受け継ぐ日本人の人口はただいま絶賛減少中でして、日本の人口問題研究所の研究報告によればいまさらどんな少子化対策を行っても、このままでは2100年には人口は4千万人程度になり、江戸時代末期に逆戻りしてしまいます。

ただ少なくなるだけならなんとなく「ま、それでもいいか」ってことになりますが、問題はそれにとどまりません。
人口が減少していく途中には「少子高齢化」によって少ない若者が多数の高齢者を養っていかねばならず、お金も時間もそれに吸い込まれて余裕がなくなる時代がそうとう続くことになります。このような現象を「人口オーナス」と呼ばれています。人口増による高度成長がその逆の「人口ボーナス」というわけですね。

さて、このような苦境にあって日本人は独立して、自分たちの文化を受け継ぎ、未来に「日本文明」を存続させることができるでしょうか。
冷静に考えると、これはかなり難しいことですね。
家族の財政が破綻して、隣の家の養子なったら、隣の家のルールと文化で生きることになります。
隣の家の人が親切なら、あなたの出自を大切にして、あなたのお父さん、お母さん、ご先祖様は立派な人だったんだよと言って、励ましてくれることもあるでしょう。
しかしそれはいつも期待できる状況ではないですね。生きることの方が大切ですから、文化は放棄せざるを得ないかもしれません。
悲しいことですが、日本文明は日本人の人口減少とともに衰退することは疑いない事態です。
私たちに残されてる選択肢は、どのように衰退するかという道筋です。

¶4 なぜ国際ビジネスなのか。その重要性

私が外国とのビジネスに興味をもったのは、実のところ、日本の未来が確実に厳しいということに気づいたからです。
わが子どもたちの未来を考えたとき、日本という国土や文化にのみ固執して生きていくのは楽な選択肢では決してないことに気づきました。
厳しい状況に直面したとき、本当に助けてくれる友人が外国にいるといないとでは人生は大きく違ってしまうだろうなと思います。
それが国際ビジネスを志すきっかけです。
そしてそれは自分の家族だけでなく、多くの日本人にとってよりよい選択肢になればよいなと思っています。
中でも、日本で働きたい外国人を受け入れることは、もっとも重要な課題の一つと考えています。

私の仕事は「移民ビジネス」です。
それは日本人と日本文化を持続させるためのものと私は信じて取り組んでいます。

★★
第1回「日本文明を滅ぼしたくないよね。誇りもあるし。」終わり。
2022年1月12日
鍋島祥郎